シカゴの坦々麺は汁無し

シカゴの坦々麺は汁無し

2002/09/26登録

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 先日、またシカゴに行く機会がありましたので、今度はある程度時間をかけてゆっくりと中華街に行って参りました。アメリカ中西部での滞在もあとわずかになりましたので、シカゴにはあと何度行けるでしょうか。  夜のシカゴ、シアーズタワーです(写真1)。アル・カポネに牛耳られた危険な街というのは昔の話し、今はその頃よりは治安がいいらしいのですが、それでも私の住むマジソンに比べれば何だか怖い感じがします。シカゴの中華街は2カ所あります。ダウンタウンを挟んで南側にある南埠、北側にある北埠です。いわゆる一般的にいわれる中華街は南埠の方で、北埠の方は越南の華人の中華街だそうです。南埠は黒人の多いエリアに囲まれており、ダウンタウンから地下鉄で移動するとき、乗客の大部分が黒人、ちょっと中国人、って感じで白人の多いマジソンからすると不思議な感覚です。

 南埠は大きく二つのブロックに分かれます。大きなゲートのある古い町並みがありまして(写真2)、こちらはどうやら古い移民を中心に構成されているようで、広東料理の料理店が多いです。私も、夜にこちらの方で広東海鮮料理をいただきました。ただ、街にいる人々はほとんど普通語を話しておりますので、利用している人たちは大陸の人が多いのかもしれません。奥の方に行きますと、きれいな建物もあったりします(写真3)。どこの中華街でも華人学校がありますが、アメリカの華人はキリスト教の人が多いらしく、このように基督教系の学校が多いようです(写真4)。

 さて、もう一方のブロックには大きなモールが建てられております。ここにあるのがモールのメインの入り口になる小さな門です(写真5)。こちらの方は新しい移民が多いようでかなり大陸色が強いです。中国映画のDVDを買おうとしたら当たり前のように普通語で話しかけられました。発音が悪くてもいろんな訛りがある中国だからでしょうか、ちょっとでも中国語で答えるとその後もどんどん普通語で話しかけてきます。  こっちのモールにはいろんなところの料理店があります。何を食べようか迷ったのですが、最終的には自分の街ではきっと食べられないだろうと思い、四川菜のレストランに入りました(写真6)。実はこの店、とある日本人のホームページであまりよい評価がされていなかったので、おそるおそる入ったのでした。で、入ったのはいいのですが目的の坦々麺がメニューにない!おいおい、ここまで来てそりゃないだろう、と思いながら点菜をしに来た小姐に「坦々麺」と言ったら、「対」と何事もなかったように厨房に去っていきました。どうも、こういうのは中国人向けメニューのようです。できあがりがこれです(写真7)。しかしやはりここはアメリカ、白いろう麺が出てきました。上にトッピングされているのが、からりと炒められた猪肉沙と茹でたほうれん草です。猪肉が辛いのだろうかと思ったら、これは辛くありません。底をたぐっていきますと、辣油ベースで花椒に香りつけられたスープが入っています(写真8)。麺をよけて、スープをむき出しにしますと何ともいえない良い香りが漂ってきます。よーく混ぜて召し上がりましたが、そんなに辛くは感じませんので、箸がどんどん進みます。ところがどっこい、半分くらい食べ終わったあたりから、汗がどーっと噴き出します。四川菜を侮る無かれ、しっかりと花椒は利いていたのです。麺は残念でしたが、こんな本格坦々麺をアメリカで食べられたのはうれしかったです。同時に、それなりの中華料理店では出来るだけ本場に近いものを出そうと努力しているわけで、いわゆる日本風中華の範疇でアメリカの中華料理を評価しているものは、あまり当てにしてはいけないな、と再認識しました。

 で、実はこの店、「北京炸醤麺」がメニューにあったのです。でもやはり四川菜の店ということもあり、坦々麺の魅力には勝てませんでした(ごめんなさい)。歩いてメニューを見ていたところ、この他にはあと一軒炸醤麺を出す店がありました。古い中華街の並びの、一番奥の方にある福州料理店で、ここは福州菜と北方菜のメニューを並べておりました。くまなく捜せばもっとあるのでしょうが、今回はこれが限界でした。

 さて、シカゴはやはり大都市ですからいろいろな国のコミュニティが存在します。北のはずれの方には巨大なコリアンタウンがあります。アメリカでチャジャンミョンを食べることは、こちらを去る前にやらなくてはいけない事だと思っています。残念ながら、シカゴの市街地にある日本のコミュニティはほとんど崩壊しております。古い移民はかなり代を重ねているということと、「郷に入らずんば・・・」という日本人の良い意味での協調性の気質がそうさせてしまったのかもしれません。一方で、駐在員や一世の移民を中心にArlington Heightsというシカゴ西部郊外の街に日本人のコミュニティが存在します。ミツワ(元ヤオハン)という、日系の大きいスーパーがありまして何でも日本語が通じてしまいます。初めて行ったときは何というか、逆カルチャーショックを受けた感じでした。ここはフードコートがあって、日本のいろんなものが安い値段で食べられるようになっています。あっ、今回はチャーシュー麺を食べちゃいました。

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geminizz@hamakko.or.jp

荒川文治(あらかわ ふみはる)
神奈川県横浜市

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