メリーランド州には手打ち切麺も

メリーランド州には手打ち切麺も

2003/01/11登録

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アメリカのいろんな場所で(とはいっても半分にもなりませんが)中華を食べましたが、麺類に満足できるような場所はあまりありませんでした。ところがここワシントンDCエリアはちょっと違います。

 先に報告したようにDCの中華街は観光色が強いのではないか、という感じがあるのですが、郊外にはかなりディープな中華料理店がたくさんあります。大都会には中華街があって中国人もたくさんますが、中華街のような古い中国系コミュニティは香港系が占めており、おそらく大陸系と思われる人は郊外に店を持っております。確かに普通の仕事でアメリカにいる中国人の多くは郊外に住んでおりますから、そういうところで大陸系の本格料理を出した方が商売になるというものでしょう。

 そんなレストランの一つ半畝園(A & J restaurant)です(写真1)。お店の看板にもあるAuthentic ChineseとNorthern dimsumには間違いがありません。麺料理を中心に、その他北方系の点心が良心的な値段で食べられます。

 店にはいると、アジア人と見ると間違いなく中国語で話しかけてきます。客はほとんど中国人。白人は大概だれか中国人と共に来ております。人数を聞かれて、中国語で答えようものならすべてが中国語になってしまいます。メニューは中国語と英語のものがありますが、もちろん私は人数を聞かれたときに中国語で反応してしまったので、中国語のものを持って来られました。炸醤麺を注文すると、麺の種類を尋ねてきます。つまり白い麺か黄色い麺か選べということです。やはり炸醤麺には白い麺です。白い麺は手打ちです。

 またこの店は北方の点心が約$2程度で楽しめるので、一人で行っても麺類と共に点心を一品くらい頼んでもあまり高いという気がしません。餃子とかいわゆる中国の餅などがありますし、包子、その他に肉や臓物系の料理まであります。今回は香菜豆干をつまみながら、炸醤麺を待ちます。出てきた炸醤麺はこれです(写真2)。上に載っているのはかなり大きめに切ってある豚肉を炒めた醤、それとキュウリとモヤシ。醤は甘辛(甘しょっぱい)で、いままでアメリカで食べたものの中で、もっとも中国の味に近いです。

 本物度はその手打ちの麺にも現れています。醤と具をひっくり返して、麺を示したところです(写真3)。平たい白い麺を使っており、どうも切り麺のようです。以前に雪菜肉絲麺を食べたときにはもう少し丸い麺を使っていましたので、同じ白い麺でも料理によって麺の種類を変えているようです。何ともうれしい心遣いというか、料理している側の心意気を感じます。中国で食べたもののように具はたくさんではありませんが、味は確実に中国のものに近いです。何はともあれ、ここでは中国度100%の麺料理が楽しめます。しかもアメリカの一般的なレストラン価格からしたらかなりの安値です。ちなみに炸醤麺は$5.95。いやあ、アメリカもいろんな所にいってみるものです。

 サンフランシスコ、ロサンゼルスやニューヨークなどの大都市には郊外に大陸系の新移民のコミュニティがあったり、そういう人々のためのレストランが多いと聞きます。現在私がいるところもワシントンDCの郊外地域で中国人の多いところです。やはり大都市には似たような傾向があるようですが、以前よく行った、シカゴ近郊でそういうところは発見できなかったのはちょっと残念でした。

 最後にこのレストラン、ワシントンDCエリアの中国系新聞によく広告を出しているのですが、それによるとアメリカ、カナダ、台湾と大陸で登録商標をしているだとか(写真1をよく見てみるとレストラン名の脇に「R」と書いてあります)。この店メリーランド州と隣のバージニア州に一つずつしか店がないのですが、どういうことでしょうか、アメリカから中国進出(はたまた世界征服か)を狙っているということでしょうか。中国人の考えることは壮大すぎて、たまに理解不能なときがあります。

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geminizz@hamakko.or.jp

荒川文治(あらかわ ふみはる)
神奈川県横浜市

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